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  • 執筆者の写真shotaroyahagi

考えるな、いいから聞いてこい!ー現場の熱狂から生まれる遊びのムーブメントとの付き合い方ー

更新日:2018年10月2日


第2回取材

GO OUT編集長 竹下充氏

サントリートレンド編集部LIGHTHOUSEの雑誌編集長から見た「ミレニアル世代」。

第2回のもう一人のお相手は、三栄書房が誇るアウトドアマガジンGO OUT編集長竹下充氏。日本のアウトドアブームを牽引してきたGOOUTの編集長から見た、

ミレニアル世代の作り出す「熱狂」とは?

アウトドアブームはたまたま起きただけ

ー(LIGHTHOUSE編集部)サントリートレンド編集部LIGHTHOUSE、続いてのゲストは三栄書房GO OUT編集長の竹下さんです。宜しくお願いします!

竹下充氏(以下竹下):宜しくお願いします!


ーGO OUTは、現在のキャンプ・アウトドアブームの引き金役となった雑誌のひとつですね。


竹下:

偶然そうなっているだけだと思ってます。アウトドアって本来すごくニッチなもの。

僕たちが扱ったアウトドアが、たまたま現在ブームになっているという認識です。


ーなぜアウトドアはここまでブームになったのでしょうか。


竹下:

ファッション文脈での注目が、アウトドアをスタイルとしてブームにしたと思います。

機能性の高さとコスパの良さが時代とマッチしたのでしょう。

役に立つし、ブランド品と比べると安いし、オシャレ。著名なデザイナーがアウトドアブランドのデザインを手がけ始めたことでファッション文脈でも注目されるようになったのが最初のきっかけですかね。


ー機能性とコスパは、他のテーマでもミレニアルズを象徴するキーワードとしてよく挙げられます。


竹下:

あとは、機能性への注目の高まりの背景には、おそらく震災の影響もあるでしょうね。

アウトドアファッションの防水性や軽さなど、非常時には役に立ちますから。


現場のことは、現場の人が一番知っている

ーGO OUTについて、もう少しご紹介いただけますか。


竹下:

GO OUTは2007年に創刊していて、

初代編集長は僕でした。読者は30代〜40代が中心ですね。

ー編集の上で、何か大切にされていることはありますか。


竹下:

うーん…やはり現場目線を忘れない、

ということは常に心がけていますね。 ー現場第一主義、ですか。


竹下:

現場のことは現場に聞くのが一番早いですから。何か相談されると、すぐに「いいから現場行って聞いてきて!」って言っちゃいます(笑)。


ーなぜそこまで現場の情報を大切にするのでしょう。


竹下:

取材先で教えてもらったことが、また次の取材ネタにつながっていく、ということを実感しているからかな。僕たちは全くクリエイティブじゃないと思っているので…

何か天才的にひらめいたり、発想したりして編集をしているわけでは全くない。

むしろ、クリエイティブじゃないからこそ、現場に話を聞きに行くんです。

現場の人が全てを教えてくれる。


ー徹底したユーザー目線なのですね。


竹下:

大阪のストリートファッション誌という、僕の編集者としての出自も影響しているかもしれません。現場を仕切ってるひとに話を聞かないと、何も始まらなかったし、そこから全てが始まった。現場目線で等身大の情報発信は、その時代からずっと大切にしていることですね。


アウトドアカルチャーは30代の熱狂がつくった

ーアウトドアとミレニアル世代はどのような関係なのでしょうか。

竹下:

今のアウトドアブームのきっかけを作ったのは、間違いなく今の30-40代です。

彼らがキャンプに求めたこと、それは「非日常」性でした。だから道具を買い揃え、集めまくり、ないものは手作りまでして…こうしたキャンプ道具=モノへの執着も、30代以上のアウトドア好きの特徴と言えるでしょう。


ー若い世代がモノに執着する、と聞くと意外な感じもします。


竹下:

特にGO OUT読者は、どっちがよりイケてるグッズを持っているか?で競い合う、

いわば「モノじゃんけん」をしている感じです(笑)。

例えば、GO OUTで「GO OUTキャンプ」というイベントを定期的に開催しています。

もともとこれはキャンプ好きな仲間が、お互いに面白いギアを紹介し合う場所があれば、

取材も行うことができると思って始めた小規模なイベントだったのですが、次第に評判を呼び、今ではキャンプ好きが集う代表的なイベントの一つにまで成長しました。

こだわりのテントやキャンピングカー…お互いに自慢し合うわけです。

これは20代のアウトドア好きにはあまり見られない傾向ですよね。


ーそのモノに対する態度の差はどこから生まれたのでしょうか。


竹下:

それは30代が今のアウトドアカルチャーを最初に切り開いてきた開拓者だからでしょう。おしゃれなキャンプ道具がそこらじゅうにある今とは環境がそもそも違う。

だからこそ、彼らのキャンプ熱はヒートアップしていったわけです。彼らの熱狂が、キャンプブームの下地を作り上げた。20代にとっては、すでに先輩たちが作った環境が整っていたので、そこまで熱狂することはなかった。


ー20代にもアウトドア文化は根付いているようにも見えますが。


竹下:

でも、20代の中に本物のキャンプ好きなカリスマはまだ出てきていない、と取材をしているとつくづく感じます。現場で噂になっていたり、キャンプ好きの間で話題になるような人はほとんど30代以上の人ばかり。僕たちが歳をとりすぎたのかもしれませんが…(笑)


ー20代はギアを集めて、自慢しあったりしない、と。


竹下:

まず20代は「モノじゃんけん」をしない(笑)。それこそ機能性とコスパを中心とした価値観で動いているように見えます。

未来のアウトドアの「熱狂」は20代がつくる

ーでは、20代はもはや「熱狂しない世代」なのでしょうか?


竹下:

そんなことはないと思います。GO OUTがまだ出会っていないだけで、きっと20代のアウトドアの熱狂はこれから生まれてくるでしょう。現場の熱狂はいつだって突然変異的ですから。今の30代の熱狂だって、きっかけの一つは「止水ジップ」の革新だったと思ってますし。


ー止水ジップ?


竹下:

はい。それまでのアウトドアウェアは、ジップの形状から重々しく野暮ったいデザインしかできなかったんです。それが「止水ジップ」の発明により、アウトドアウェアがスタイリッシュにデザインできるようになった。

それが30代がアウトドアに熱狂するきっかけの1つだったと思います。


ーだから突然変異的という言い方をされたのですね。

竹下:

小さなジップ一つで熱狂が始まったわけですから。今はまだ起きていないけれど、きっとこれからアウトドアの技術的なイノベーションはまた起こります。

その時、20代の熱狂が新たに始まると思っています。GO OUTは、その熱狂に現場で向き合っていきたい。


ー20代の熱狂を待っているわけですね。


竹下:

アウトドアへの熱狂は、別に30代の特権とかではないですから。きっと20代だって、今からは想像もつかないカタチの熱狂を起こして、文化を作っていくと思いますよ。


ーミレニアル世代による未来の熱狂、楽しみですね。


竹下:

GO OUTの20代の読者をもっと増やしていきたいですね。雑誌としても、読者層の若返りは課題だと思っているので(笑)。

ー本日はありがとうございました!

竹下:

こちらこそ、ありがとうございました!



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