第4回
GOETHE編集長
二本柳 陵介氏
サントリートレンド編集LIGHTHOUSE、今回のテーマは「つながる」。
第4回のゲストは男の憧れ「GOETHE」編集長である二本柳氏にインタビューを実施。
「ビジネスマンにとって“つながる”とは?」をテーマにしながらも、
雑誌の可能性やコンテンツづくりの真髄にまで話は及びました。
「リーダーが共感すること」それだけを考える
ー(LIGHTHOUSE編集部)サントリートレンド編集部LIGHTHOUSE、
第4回のゲストは幻冬舎『GOETHE』編集長の二本柳さんです。宜しくお願いします!
二本柳氏(以下二本柳):宜しくお願いします。
ーはじめに、GOETHEの雑誌としての編集方針やこだわりを教えてください。
二本柳:
GOETHEはターゲットを「仕事を頑張るひと」、とくにコアターゲットを経営者やビジネスリーダーにおいています。なので、雑誌の内容も「仕事の地位を上げる」ようなコンテンツにすることは常に意識していますね。
ーGOETHEといえばやはり「秘書特集」のイメージがあります。
二本柳:
巻頭特集のテーマは「秘書」や「時計」「ファッション」など必ず毎年扱う定番テーマに
加えてたまに個性のたったテーマ、例えば今度出る「悶絶豪邸」のような特集をやることで
年間の配分をするようにしています。
ーGOETHEファンは、どんな方が多いですか。
二本柳:
やはり40-50代のビジネスリーダーで、品よく「ひとと違う」ことにこだわる方が多い
印象です。
WEB版の読者はもう少し若いですが、やはりメインのファン層は雑誌の読者の方ですね。
ーGOETHEはなぜそのようなファンの心を掴んで話さないのでしょうか。
二本柳:
それはコンテンツがとんがっているからだと思います。たとえ世の中の大勢の方に理解されなかったとしても、ビジネスリーダーが共感できればそれは私達の扱うべきテーマ。
常にリーダーが共感することだけを考えてテーマを作るからこそ、経営者層の共感の輪が
広がっていきますし、そこに憧れる層もついてきます。
経営者たちの「男のプライド」を刺激する
ー今回のテーマは「つながる」なのですが、GOETHEからみた「つながる」の意味とは何でしょう。
二本柳:
誰よりも僕自身がまず、つながることで仕事をしています。よく思うんですよね、
本当につながりこそが面白い、って。ある種アナログなつながりなのですが、
実際の経営者層とのそうしたつながりがあるからこそ、GOETHEには普段メディアに
出ないような方にご登場いただけるんです。
一蘭の末冨さんやAFURIの中村さんも、普段あまり取材を受けられない方々ですが、GOETHEには出ていただくことができ、話題になりましたね。
ービジネスリーダーたちは、どうしてGOETHEだけには出たがるのでしょうか。
二本柳:
それは「男のプライド」をうまく刺激しているからだと思います。有名な経営者が一度でもGOETHEに登場すると、他の経営者たちも「あいつが出たなら俺も出なきゃ」という気分になる。
こうして最初のつながりから派生して新たな出会いやきっかけが生まれ、
また次のコンテンツへと“つながって”ゆくのです。
ーたしかに秘書特集でも、一流企業の経営秘書たちが顔を揃えているのには毎回驚かされます。
二本柳:
秘書特集でも同じ現象が起きやすいですね。「あそこが秘書出るなら、ウチも出さなきゃ」みたいな話をよくされます笑。そのことが、また次の話につながっていく。
経営者というある種限定的なコミュニティだからこそ、共感も広がりやすいのでしょう。
ひとに会うと、つい「本音」を引き出してしまう
ー経営者たちの「つながる」ときに意識されていることはありますか。
二本柳:
まずは、直接会うこと。基本的なことですが…やはりひとにモテることがいい編集者の
条件だと思うので。だから「会議するくらいならひとに会え」とうちの編集者たちにも言います。
僕も誰かから誘いの連絡がきたら、たとえ仕事がやばくても即レスで飲みにいきますね笑。
ー実際に会って、どんなお話をされるのですか?
二本柳:
これは僕のクセでもあるのですが…まず相手をよく見てしまいます。相手の話だけでなく、外見や雰囲気、習慣、持ち物…あらゆることにそのひとの本質がわかるヒントが隠されている。それをつぶさに観察しています。
ー観察、ですか。どんな風にされるのですか?
二本柳:
乗っている車やキー、服装、時計とかもそうですね。ヒントはたくさんあると思う。
今日みなさんとお話しているなかでも、観察していますよ笑。
ーなんだか見透かされている気分です笑。
二本柳:
あとは話し方も、なるべく相手から引き出すようにします。相手に話させないと、
本音が引き出せないからです。「あれ?今日俺しか話してないけど大丈夫?」と相手に言わせるくらいがちょうどいい。
相手を観察しているからこそ、うまく話を引き出せるしだから本音がでてくる。
逆にいえば直接会って話さないと、こんなことはできない。
僕がアナログなつながりを大事に思うのはこうした理由からです。
ーこうした直接の「つながり」は具体的にどんなふうにお仕事に活かされているのでしょう。
二本柳:
つながるのが好きだからこそ、つなげる仕事をやることも増えてきました。
たとえばアンバサダーのマッチングなどをやることもあります。香川選手が時計好きなのを観察していたから、タグ・ホイヤーと引き合わせたり。
あと上原浩治選手も、たまたま一緒にゴルフに行く機会があって、そこでLEXUSに乗っているのを知っていたんですね。
そこからの縁で彼をLEXUSに引き合わせて今度彼がLEXUSのアンバサダーをやることになったり…
それもこれも、すべては直接会い、見て、観察して、話をしていたからこそ。
本当、つながるのは面白いですね。
SNSはアナログな出会いをブーストする
ーアナログな「つながり」のお話が中心でしたが、デジタルな「つながり」、例えばSNSなどはどうお考えですか。
二本柳:
僕ももちろんSNSは使いますよ。LINEで連絡をとることも多いですし。
僕はデジタルツールはアナログなつながりをむしろ強くすると思っています。
いまは一度直接会ってしまえば、LINE交換をしてSNS上でつながってしまえる時代。
僕も取材で一度お会いしてからは、むしろあえてLINEで直接本人に聞いたり尋ねたりすることもよくあります。あいだにいる色んなひとを飛ばして直接話せますから、
それが功を奏することもありますし笑。
ーつながりにおいてアナログとデジタルは共存できるということでしょうか。
二本柳:
逆に、だからこそ最初の一回目のアナログな出会いが大切になっていると思う。
最初は直接話すから、あとでSNSでつながりを強めることができるのであり、逆はない。最初が勝負の時代になっていると思います。
ー本日はありがとうございました!
二本柳:
ありがとうございました。
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